大規模修繕工事におすすめの季節
マンションの大規模修繕工事は戸数や建物の形状・工事内容によってかわってきますが、平均的に4ヶ月~半年にかけて行われます。半年程度の長期にわたって行われることもあり、日常生活に影響がでるため、1年のうちどの季節に行うかとても重要になってきます。
工事費用や業者選定に気をつかいますが、実施時期も同様に気をくばりたいものです。
いつが工事に適しているか
ずばりいうと春と秋です。
ただし、人気シーズンであるがゆえに施工業者にとっては繁忙期であり、希望どおりにスケジュールをおさえられるかどうかは早めの計画が求められます。
いずれの季節においても、それぞれメリット・デメリットがありますのでしっかりと理解をしたうえで選択をしてください。
春の大規模修繕工事
春はいわゆる「春工事」といわれているほどマンションの大規模修繕工事にむいている人気のシーズンです。
気温が穏やかで湿度が安定している為、下地補修工事や塗装、防水工事の施工に適しているといわれています。
マンションの塗装や防水工事はいわゆる「湿式工法」というもので、水を利用した材料を塗って施工されています。その水分がぬけて乾燥することで工事が完了となる為、水をつかわない乾式工法に比べ、適切に乾燥させる養生時間が必要とされます。工程が多く、職人の技量はもちろん、安定した気候も均一で高品質な仕上がりに大きく影響するため、春は大規模修繕工事において適した気候とされているわけです。
また、気温が穏やかであるということは健康で安全な環境であり、作業員も最善の状況でパフォーマンスを発揮することができます。快適な環境下での施工は、そこに住む人たちにとってもストレスを最小限に抑えることができる傾向にあります。
夏の大規模修繕工事
夏は日照時間が長く、作業時間を確保しやすいため、工事の進捗が早くなるともいわれていました。
ただ昨今の猛暑の記録的な猛暑により、作業員の健康管理や熱中症対策に時間をとられ、思うように進められないということの方が懸念されるようになってきました。
また、工事の内容によっては「窓を開けられない」期間もある為、エアコンがつけられない場合においては耐え難い状況であり、住民の理解を得るのが難しいと思われます。
天候に関してはコントロールがきかないため、台風やゲリラ豪雨の発生により工事を中断しないといけない事態も以前より多くみられます。春や秋の繁忙期を避けることで施工業者の手配や費用面で融通がきくというメリットは十分に考えられます。
デメリットを理解したうえで選択するのであればいいかもしれません。
秋の大規模修繕工事
秋は春と同様「秋工事」といわれているほどに大規模修繕工事に適しているといわれています。
穏やかな気候は品質の確保はもちろん、作業性にも適している為です。お盆休みや年末などの長期休暇がないのも防犯面からみて安心材料となります。
ただし、遅めに訪れる台風や秋雨により、工事を中断しないといけない天候リスクはもちあわせています。余裕を持った工期の設定が必要です。また、人気のシーズンであるため、早めに施工業者へ依頼しないと断られたり、工事費用が高くついたりということも考えられます。早めの計画をおすすめします。
冬の大規模修繕工事
冬の大規模修繕工事はおすすめできません。
というのは品質に大きく影響するからです。塗料や防水材は低温で硬化しにくく、一般的に5度以下での施工は望ましくないとされています。不十分な乾燥と硬化では適正な品質と性能を保証できません。
近年では硬化剤の使用や材料の改良が進んだことで低温でも施工できるものもありますが、費用としては割高になってしまいます。天候リスクは一年を通して懸念されますが、冬の場合は雪が積もることで工事が中断してしまうというリスクがあげられます。
年末年始で忙しい時期であり、留守にする機会も多いことから防犯面での心配もあります。
ただし、夏同様工事を避ける時期であることから業者の手配やコスト面でのメリットは十分に考えられます。上記を理解したうえでうまくこの期間を利用するのもいいかもしれません。
季節ごとの特徴を理解して早めの計画を
マンションや管理組合の事情によって何を重視するかは変わってきます。
それぞれの季節の特徴を理解したうえで、状況に応じて選択することが必要です。
こんなはずじゃなかったのに、
とならないよう、それぞれのライフスタイルや時期ごとのイベント等もあわせてイメージしてみるといいですね。天候や気候による事情は地域によっても変わってきます。
お悩みの際はぜひご相談ください。